GX470 Serpentine Belt – サーペンタインベルト

スキーの帰り道、途中の街を抜けたところでバッテリー警告灯が点灯。ハンドルも重くなり、パワステも効いていない、電圧計は12V弱。ベルト切れか。空調、ライト、カーステなど、片っ端から電気を使うものを切る。ノリは「 Apollo 13」。次の街にトヨタのディーラーがあるのでそこまで走り、駐車場にクルマを滑り込ませ、ボンネットを開けてチェックするとやはりサーペンタインベルト(ファンベルト)が切れていた。この時点で11.5V強、水温は正常、パワステがないだけでクルマは普通に走る。先日オイル交換したときにエンジンからカラカラ音がするのが気になっていたが、音はこれだったか。

このトヨタのディーラーのパーツカウンターで純正のベルトを購入。

バッテリー警告灯が点灯してからここまで10マイル(16km)ちょっと。ここから家まではまだ30マイル(50km)、30分ほど。ここでAAAを呼んで積載車で帰るか、もう少し走って行けるところまで行くか、ちょっと考えて、もう少し家に近づいたほうが効率が良いと思い、先へ進むことに。バッテリー電圧11.5V、エンジンは普通にかかり、パワステがなくて駐車場内の取り回しに腕っぷしがいるがクルマは走る。ウォーターポンプはタイベルで駆動するので水温は問題なし。

Freewayに乗って電圧計とにらめっこしながら家へ向かう。11.5Vが11.4になり、11.3になり、渋滞にはまり、ペースが落ちる中電圧は少しずつ落ち続ける。右側の車線に移り、いつでも路肩に逃げるか、Freewayの出口で降りられるように備える。そして10V台に。Freewayの出口が目前だったのでFreewayを降り、街中のショッピングモールの横の路駐スペースにクルマを止め、AAAの積載車をスマホで手配した。ここから家まではほんの20分くらい。

二時間弱で積載車がやってきて、無事帰宅。バッテリーに充電器をつなげておく。

次の日、ベルト交換作業。

ベルトが切れたのはベルトの経年劣化だけではないことが多い。各プーリーをチェックすると、定番のテンショナーがほとんど回転しない状態だった。

エンジンの化粧カバーを外し、手を入れるスペースを確保。

テンショナーは14mmヘッドの逆ネジのボルトを緩め、すぐに取り出せる。ベアリングが破壊されていた。プーリーが固着したのでベルトがこすれ、プーリー表面が磨かれただけでなく、ベルトが溶けて素材が融着している。外して近所のオートショップに行き、「アイドラープーリー」を買って来た。

切れたベルトも取り出す。

新しいプーリーを取り付け逆ネジのボルトを反時計回りに締めていく。ベルトの取り回しは絵がボンネットにステッカーが貼ってあるのでそれに従う。ベルトをプーリーにかけていくのに苦労。車高が高いのと作業スペースがななくて手が思うように使えない。化粧カバーに加えスロットルボディにつながるダクトも外す。テンショナーにラチェットをかけて反時計回りに捻り、最後のプーリーにベルトをかけようとするが苦戦。テンショナーのプーリーを最後にするのは大いに間違いと学ぶ。一番引っかけにくい向かって右隣のクランクプーリーからベルトが外れてしまう。経験上、小さいプーリーを最後にしろ、という心のささやきはあったもののテンショナーを攻め続け無駄な苦労。さんざんやって手を引っかき傷だらけにした後、一番上の一番手が届きやすい、一番小さいプーリーを最後にかける方法に作戦変更。一発で何の苦もなくベルトがかかった。新しく正しいベルトを正常なテンショナーで張るとテンショナーの合いマーク内に目印が合う。

エンジンをかけてテスト。していた異音は消えた。が、テンショナープーリーが回転していない。やり直し。

ボルトを抜き、ボルトとテンショナーの間に入れるカバーワッシャーを使わないでボルトを戻して締めてみる。

今度はプーリーが回転する。しかし異音。プーリーがテンショナーのブラケットと擦れて音がしている。

テンショナープーリーを取り出し、ワッシャーか何かでプーリーの取り付け位置をずらすか、と思案。よく見るとワッシャーのような部品がプーリーが付くブラケットに引っかかっている。壊れたプーリーのベアリングのカバー。取り出す。プーリーの干渉を回避するための適当なワッシャーは手元にない。

結局はプーリーに圧入されているベアリングの圧入されている位置を変えてみることに。適当なサイズのワッシャーと26mmのソケットをあてがってハンマーで叩き、プーリーとベアリングのセンター位置を2mmほどずらしてやった。うまくいってブラケットの干渉は解消。

カバーワッシャーも無くてもよいのだろうが、使っておきたい。カバーワッシャーも買って入れたアフターマーケットのアイドラープーリーと一緒に使いたいが、このアフターマーケットのプーリーは形状がカバーワッシャーと合わず干渉するのでワッシャーを挟んでボルトを締める。

ベルトをかけるコツやプーリーが干渉する可能性があって対処法を事前に知って作業すれば簡単な作業だったはずだが、苦戦、手が傷だらけになった。

しかし作業完了、エンジンからの異音も消え、電圧、パワステ、全て取り戻した。ベルトが切れた場所、バッテリー電圧を消耗してクルマを止めた場所、原因も定番のプーリーだけ(オルタネーター等の補機ではなく)と運も味方、満足な結果。

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