911 CV Joint, Axle Rebuild – ドラシャ、CV

先日のTrack Day後のチェックでドラシャのブーツが4つとも破れていて意気消沈し、さらに作業を始めたものの、ボルトを二本舐めて完全に萎えた。少し時間がたってやる気が回復したので作業にとりかかる。

左側から始める。ハブ側のボルト6本の内、4本を緩めて外す。2本はアレンの頭を舐めてしまったので、色々方法はあるが、ボルトの頭をDremelで切除、破壊する。ボルトの頭のテンションが軽減するとボルトが低トルクで回ることがある、というがボルトを回すことはならず。完全に頭を切断した。トランスミッション側のボルトを抜いて切り離し、ドラシャを揺するとハブ側も外れた。ハブに残った破壊されたボルトは手で簡単に回り、取り外すことができた。残ったガスケットやグリスは取り除く。

CVジョイントのオーバーホール。分解してグリスを拭き取って掃除。ベアリングやハウジングなどの痛みをチェック。ところどころ痛んでいるが前回(CV Joint RebuildCV Joint Boots)チェックしたときと大差ないのでそのまま使用する。理想的にはこの辺もオーバーホールしたいところではある。

CVを組み立て、新しいブーツと一緒にシャフトに取り付け。ブーツのキットに付いてくるワッシャーとサークリップを使う。ガスケットもCVの表面を脱脂して貼り付ける。

グリスを盛る。キットに付いてくるグリスの袋の角をはさみで切り落とし、グリスを絞り出していく。CV両方をブーツ側から盛り、その後外側から盛って行く作戦。これでグリスがあちこちに付くのを最小限に抑える。トランスミッション側のCVの外側はハブ側をつなげてからがよかったかもしれない。次回はそうしよう。

せっかくきれいに掃除してグリスを盛ったドラシャもクルマに戻すときにグリスまみれになってしまう。以前に比べればだいぶうまくいったがそれでもグリスがハブやミッションのフランジについてしまう。

全てのボルトに新しいギザギザのShnorrワッシャーを使い、Moon Plateも使ってトルクを分散させ、ボルトが緩んで抜け出るのを防止する。CVとフランジのボルト穴の位置合わせは細いドライバーを使って位置決めし、ウマにドラシャも乗せてできるだけ体力を使わないように。以前はとにかく最初のボルトを穴に喰わすのに苦労したが、この工夫で比較的楽にボルトを通すことに成功。84年型のシャーシはCV径100mm、M8のボルトで固定されていて、規定トルクは30ft lb。新しく買ったトルクレンチで締める。

ここまででほぼ丸一日かかった。

 

右側にとりかかる。

ハブ側のボルトを緩めているつもりが床に寝転んで逆さまになったりして作業したためいつのまにか体重を使って渾身の力で締める方向に回していて、気づけばボルト6本の内4本をねじ切ってしまった。ボルトが切断するのは特に問題ではないが、残りの2本は無駄にアレンの頭を舐めて緩めることができなくなってしまい、再度Dremelの登場。更に作業を早めるためにグラインダーも参戦。ボルトを破壊。

ボルトを破壊したものの、なかなかCVがハブから外れず苦労した。ミッション側を外し、CVを外し、ドラシャのシャフトのグリスを拭き取り、ドラシャに力をかけられるようにしておいて掴んでガタガタ揺すりまくるうちに徐々にハブから分離し始め、取り外すことができた。汗だく。

その後はCVを分解、清掃、脱脂して新しいガスケットを貼り付け、組み立て、ドラシャに新しいワッシャーとサークリップを使いブーツと一緒に組み付け、内側からグリス注入、クルマに戻す、という一連の作業。

 

一日走ってとりあえずボルトをトルクレンチでチェック。緩みはなし。ボルトに印を付けておく。

 

  • CVボールベアリング・・・。Pelican PartsのForumを見る限り、特に心配することはなさそうだが、CVの6つのボールベアリングは同じケージ、同じ部品の全く同じ場所に戻さないといけない、とBentleyのマニュアルには書いてある。前回バラしたときにそんなことは気にしていないし、レース車両などを作っている人たちのForumの内容など見てもそこまでやってはいなさそう。この10年問題になっていないからこれからも急に致命的なトラブルに陥ることはないだろう。
  • CVブーツフランジのスペーサー・・・。以前CVブーツを交換したときにCVブーツのフランジに厚みがあるもの、ないものがあることに気づいた。メーカーによって違うのだろうと思っていたが実はそうでなくて、今回ブーツのフランジに5mm厚ほどのスペーサーが入っていることに気づいた。今回は後に組んだ右側のハブ側、ミッション側両方にスペーサーが入り、新品の長いボルトを使うことができた。が、左側は気づかずに組んだため、スペーサーなし。新しい長いボルトはミッション側には使うことができたがハブ側はハブのボルト穴からボルトが突き出してトレーリングアーム本体と干渉してしまうので古い短いボルトを使った。スペーサーは一つ余りがあるが、もう一つ探しいずれ左側のドラシャに入れないといけない。

Leave a comment