GX470 Diff Drop Kit Delete – デフダウンキット撤去

エンジンオイル交換のついでに入っているデフダウンキットを撤去。

GX470は前のオーナーがBilstein 5100を入れてリフトアップし、それに伴いデフダウンキットが入っている。そのデフダウンキットを撤去。

日本語ではデフダウンキット、英語だとディフドロップキット(Diff Drop Kit)。デフダウンという表現は英語ではない。

車高を上げることにより、ドラシャに角度が付き、CVジョイント、ダストブーツが痛むといった懸念からデフを少し下げてドラシャの角度を和らげよう、という発想。

デフダウンキットにはサブフレームとデフキャリアの間に入れてデフキャリアを下に下げるスペーサー、スペーサーを入れる分必要になる長いボルト、そしてデフキャリアが下がるとスキッドプレートが付かなくなるのでスキッドプレートを下げるスペーサーがセットになっている。

結論からしてデフダウンキットは不要、といろいろ調べて行き着いた。

オフロード車、そもそもなぜリフトアップするのか。それは最低地上高を上げ、クリアランスを確保し、走破性を上げるため。せっかくリフトアップして得た最低地上高をデフダウンキットによって相殺してしまうのは大いなる矛盾。

Youtubeにそんな疑問の答えになりそうなコンテンツ。

このコンテンツによると純正のコントロールアーム、2~3インチ程度のリフトアップを可能にするダンパーによる可動域ならデフダウンキットは必要ない、としている。しかし、なぜ売られているのか。それは売れるから。売っているメーカーがそう白状しているそうだ。本当に必要ならリフトアップキットを売るBilsteinなど、デフダウンキットを同梱するだろう、と。Bilsteinは自社のテスト結果から必要ない車は必要ない、としている。販売価格が安く、入れるのも簡単だから入れようか、という無意味な衝動に駆られるケースが多そうだ。一方例えばランクル100系のようにデフダウンキットを必要とする車もある。

デフダウンキットに関しては日本語のコンテンツも多数あがっている。多くはCVブーツへの負担に言及している一方、英語のコンテンツの多くはCVへの負担を主題にしている。その違いが面白い。

オイルフィルターを交換するためスキッドプレートを外すとすぐそこにデフダウンキットのスペーサーが姿を見せる。片方ずつボルトを抜き、スペーサーを抜き取り、ボルトを戻しナットで固定。片方ずつ作業すればデフをジャッキで支えたり、という必要はない。

デフダウンキットを入れるときにスペーサー1インチ分長いボルトに交換する。スペーサーを抜いてしまうとこのボルトは半ねじで先端の一部しかネジ山が切られていないので、ネジ山が切られている部分が足りずナットが締め上げられない。純正長のボルトが手元にないので、抜いたスペーサーをナットのワッシャーにして締め上げておく。ボルトはM14x1.5、グレード8.8。規定トルクは101 ft-lb(137nm)トルクレンチを使って締めておく。

実際観察してみると、デフダウンキットのスペーサーが入っているのはデフキャリアの前方、ドラシャからかなり離れた前の方になる。ドラシャのすぐ後ろのデフキャリアの支点から遠く離れたところに1インチ(25.4mm)厚のスペーサーを入れたところでドラシャ位置は下がっても良くて5mmほど。この5mmはドラシャの傾斜角からするとほぼ誤差の範囲、こんな差でCVブーツに、ましてやCVの寿命に影響が出るとは至極考えづらい。1インチデフキャリアが下がることでスキッドプレートの取り付け位置が下がり、最低地上高が犠牲になる。GX470(プラド120)ではデフダウンキットは無駄。4Runner、FJ Cruiser、Tacoma、ハイラックスでも同じことが言えるのではないだろうか。

スキッドプレートを付けるときにスペーサーが要らなくなったのでオイル交換の作業など少し面倒が減る。

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