GX470 Transmission Fluid Service – ATF交換

2004年式以降GX470に搭載の5速ATはアイシン・ワーナー製A750F型オートマティックトランスミッション。堅牢なトランスミッション。メンテフリーを謳い、フルード交換は不要とでも言うのか、ディップスティックがない。ディップスティックの代わりにオイルパンにチェックプラグがあってATFを適正量に合わせる仕組み。ちょっと面倒。

トヨタ純正のATF、品番00289-ATFWSをeBayで最安値を探して1qt(946cc)ボトル12本を購入取り寄せる。もう2本近所のディーラーで買ってきた。加えてディーラーでドレーンプラグとチェックプラグのクラッシュワッシャーを買った。クラッシュワッシャーはドレーンとチェックと共通、品番35178-30010が2つ必要、一回失敗したときに備え3つ購入。また抜いたATFの量を計りたいので使い古しの目盛り付きの水差しを準備。

平らな場所で作業したいのでガレージにクルマを入れる。

トランスミッションのオイルパンはジャッキアップなどせずに潜ってアクセスできる。オイルパン底部に2つプラグがある。一つは5mmアレンのチェックプラグ、もう一つは14mm頭のドレーンプラグ。5mmアレンのプラグが緩むことを確認。プラグが緩むことだけ確認し、外さずにそのままにしておく。掃除してきれいにしておいたドレーンパンを用意し、ドレーンプラグを外し、ATFを抜く。

ざっと抜けたところでドレーンプラグを新しいクラッシュワッシャーと一緒に締める。規定トルクは15 ft-lb、トルクレンチを使った。

ドレーンパンに抜いたATFの量を水差しで計る。3 qtドレーンパンから抜けた。計った廃油はリサイクル容器へ。

ボンネットを開け、ラジエーター前のプラスチックカバーを外す。クルマの左側、ラジエーターの前にトランスミッションオイルクーラーがあるので、このクーラーの上部のホースを外す。このホースはリターンホースでトランスミッションへ向かっている。

このリターンホースにポンプをつなげ、ATFを注入する準備。

オイルクーラーのホース取付口にはサイズが合うホースをつなげ、床においた水差しへ。

抜いたATF 3 qtと入れ替えに新しいATFを3 qt、ボトル3本をこのリターンホースからトランスミッションへポンプを使って注入。

手伝いを頼んでエンジンをかけてもらい、クルマをアイドリングさせる。するとクーラーにつなげたホースからシステム内のATFが送り出されて来るので水差しの目盛りを見ながら2 qt分手前でエンジンを止めてもらい、2 qt分ATFを回収する。

抜いた2 qtに相当するボトル2本分のATFをポンプで注入。

エンジンをかけてまた2qt抜く・・・の繰り返し。

全部で12 qt抜いて、新しいATFを12 qt注入したところで最後に0.5 qt抜き、1 qtボトル一本分を注入。これで抜いた量より少し多めに入ったはず。

次にオイル量を適正量に合わせる。多めに入れたATFを適正量まで抜く必要がある。ディップスティックがないので、オイルパンのチェックプラグで量を計るのだが、手順に従う必要がある。

エンジンをかけてアイドリング、ブレーキを踏みながら、ギアセレクターをPからLへゆっくり変速、またPへ戻る、と何回か往復し、新しいATFをトランスミッションシステム内へ循環させる。一度エンジンを止める。

ATFの適正量を計るためにATFを規定の温度域、36-46℃(華氏97-115度)に入れる。クルマに適正温度域を知らせる機能があるのでそれを使う。

OBDポートの4ピンと13ピンにジャンパー線を突っ込みエンジンをかける。するとナビが見たことのないメンテモードになり、インパネも色んな警告灯がチカチカと点滅し始める。

ギアセレクターをNへ、一呼吸おいて、DとNをガチャガチャと3往復させる。するとインパネ左隅のA/T Oil Tempの警告灯が2秒間点灯。これでATFの油温検知モードが起動したことになる。警告灯はすぐに消える。消えたということはATFの油温がまだ低い、という意味。しばらくアイドリングし、油温が上がるのを待つ。油温が油量計測の適正値(36-46℃)に入るとA/T Oil Tempの警告灯が点灯する。点灯したところでアイドリングさせたままで下に潜り、ドレーンパンを用意しておいて最初に緩むことを確認しておいた5mmのアレンのチェックプラグを抜く。するとATFが出てくる。ATFがポタポタとなりかかったところでチェックプラグを新しいクラッシュワッシャーと一緒に戻し、規定トルクの15 ft-lbで締める。これでオイル量の調整が完了する。エンジンを止め、OBDポートからジャンパー線を外す。

油温が適正値を越えて熱くなりすぎるとA/T Oil Tempの警告灯は点滅し始めるらしいので、そのときは冷めるのを待つ必要がある。

今回は狙い通りATFを多めに入れて、一回で適量に調整できたが、チェックプラグを抜いてもATFが出て来ない場合はATFを追加する必要があり、面倒。そうなったときのために14本目のボトルを用意していたが、それを使う必要がなかったので、14本目のボトルはディーラーに返品した。

今回の作業はオイルパンから抜いて、13 qt使ってATFを入れ替えた。本当はオイルパンを外し、オイルパンの底にある磁石にどのくらい鉄粉が付いているか確認したり、その磁石を掃除する、そしてストレーナーも交換、オイルパンを新しいガスケットを使って戻す、とまでやれば万全。また新しいATFはトランスミッションのフィラープラグから注入する、というのが本来のやり方のはずだが、オイルクーラーのところから抜いて入れる、という方法を使った。オイルクーラー以外の場所でホースを切り離して同様にATFの出し入れをする方法もあるが、オイルクーラーのところからやるのが楽。

抜いたATFは新しい透明に近い赤いATFに比べるとだいぶ汚れてはいるが、真っ黒とまではいかず、悪い状態ではなかった。ドレーン、チェックプラグに使われていたクラッシュワッシャーも純正の立体的なものではなく、アルミの平らなものが使われていたので、どこかで交換されいることがわかる。

ATF交換後の乗り味は全く変化なし。即ち問題なく作業出来た、ということで満足。

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